• Mon.09.24.2012

『食べごしらえ おままごと』


水俣病を見つめ続けてきた作家・石牟礼道子さんの食のエッセイ、『食べごしらえ おままごと』(中公文庫)のカバーデザインをさせていただきました。

[宣伝文より]
食べることには憂愁が伴う。猫が青草を噛んで、もどすときのように——父がつくったぶえんずし、獅子舞にさしだした鯛の身。土地に根ざした食と四季について、記憶を自在に行き来しながら多彩なことばでつづる豊饒のエッセイ。著者てずからの「食べごしらえ」も口絵に収録。 〈解説〉池澤夏樹
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カバーは坂本千明さんの紙版画。落ち着きがあって上品、なおかつ骨太さもあるエッセイのイメージにぴったりな版画を仕上げてくださいました。


↑こちらは紙の版。1枚1枚丁寧に掘られた線は、どれも繊細でとても素敵です(写真がボケてしまい、見づらくてすみません…)。
*坂本さんの版画作品のページはこちら→

お祝いごとのたびに本家の台所に集まって、料理をこしらえている祖母やおばたちの姿や、漁師の伯父宅で獲れたての魚をさばいてもらったことなど、エッセイを読みながら懐かしい光景と味の記憶が蘇りました。